動いてみる

「風と小鳥」

 

生まれた時、同じ顔をした兄弟たちが沢山

土のぬくもりを感じる温かい囲いの中にいました。

 

そこは、

外敵から身を護る為、

寒いと死んでしまうから

それらから僕たちを守ってくれる砦です。

 

そこはとても暖かく落ち着く場所。

安心、安定した場所。

 

その中ですくすく育ち、

僕たちは若鳥になりました。

 

すると親鳥がこう言いました。

「巣立つときが来たのです。

砦から出て外を見てごらん。

大空が広がっているよ。

この大空で自由に飛んでみるといいよ」

 

親鳥に薦められて

初めて囲いの中から出て来た若鳥たち。

 

広い世界にワクワクする鳥

ちょっぴり戸惑いを感じる鳥

居心地が悪いと思った鳥

色々な思いが飛び交います。

 

丁度そこに風がやって来てこう言いました。

 

「これからは囲いの中の世界だけでなく

風に乗って大空という世界を旅するといいよ!

君の羽は僕と相性がとてもいいんだ。

だからこれからはその羽を使うといい。」

と言いました。

 

これを聞いて、

ワクワクしていた若鳥は

一番乗りに風と共に大空に飛び立ちます。

 

それを見ていた戸惑いを感じていた鳥は

風に「本当に大丈夫?怖くない?」と聞いています。

 

そして居心地が悪いと感じた鳥は

その場でじっとしています。

 

戸惑いを感じていた鳥は、少し羽を伸ばして風に触れてみました。

少しずつ少しずつ・・・

何日も何か月もかけて・・・

 

そして怖くない事が解ってきたので、

風の力を借りて空に飛んでみる事にしました。

それを喜んだワクワクした鳥たちが迎えに来て、

一緒に他の兄弟たちと大空に飛んで行きました。

 

居心地が悪いと感じた鳥は、

その場でずっとじっとしています。

すると風が顔にあたり、

砂埃も飛んできて顔に当たり痛くなってきました。

 

ある日、風がこういいました。

「風はこれからも毎日ずっと吹き続けるから

そこでじっと「動かない」選択もいいけど

少しずつでも「動いてみる」という

選択肢も持ってみる事も

大切なんじゃないかな・・・」

 

このお話は、

もう気づいている方もいらっしゃると思いますが

これから来る

「風の時代」のお話です。

 

風の時代の大切なポイントの1つに

「動いてみる」

というのがあります。